理事長所信

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2017年度 理事長所信

一般社団法人妙高青年会議所2017年度理事長中田貴規

一般社団法人 妙高青年会議所

2017年度 理事長

中田 貴規

日本らしさとは何か

我々の祖先が育て守り抜いてきた美しき国日本。はたしてこの日本は如何にして形成されたのでしょうか。国をかたちづくるものとして領土、歴史、伝統文化、思想など様々な要素がありますが、それら全ては人の手によって生み出されたものです。このような考えに立てば、国というものの根源は人にあるということは明白です。つまり、今日の日本が世界に誇れる国としての地位を確立できたのは紛れもなく先人のおかげであり、さらに付言するならば、先人が紡いできた日本人の魂とも言うべき磨き上げられた精神性こそが、全ての原動力であったと言っても過言ではありません。古来より日本人には善徳や優れた品性、清く美しい礼儀作法、他に対する心遣い、規律を遵守しようとする誠実さ、自然に対する畏敬の念など、他国が驚嘆するほどの美しき精神性が備わっていました。人類がある一点のルーツより広がっていったとするならば、日本人がそのような特性を持つに至ったことはまさに奇跡であり、美しき精神性とその礎となった荘厳な歴史は我々日本人にとって永遠の宝です。品格と知性を兼ね備えた先人は、その胸に日本人であることの誇りを抱き、将来における日本の姿はどうあるべきか想いを巡らせていたに違いありません。

日本文化形成の歴史を振り返れば、古くから外来文化を取り込みつつも単にそれを鵜呑みにするのではなく、自らの文化ベースに溶解させるように受け入れ発展させてきた経緯があります。あらゆる物事を排他的な視点から捉えるのではなく、柔軟な姿勢で向き合い、正しい取捨選択の末に取り入れたものを加工し、自らの発展へと繋げていく能力は日本独自の強みです。これは神道を基軸として日本人が育んできた共存共栄の心が成せる業と言えるでしょう。戦後の急速な欧米化によって徹底した合理主義や個人主義が蔓延しているとの声が聞かれる今日、確かにそのような感覚があることは否めませんが、大切なのは誰が悪いのかという低次の論を交わすことではなく、ありのままの事実を受け止め、これからどのようにして前に進んでいくかを考えることではないでしょうか。今後日本が正しい方向へと進んでいくためには、国際社会の一員として異なる伝統文化や価値観に寛容な姿勢を示しつつも、先人から脈々と受け継がれてきた美しき精神性を守り抜いていくことが重要です。我々日本人が日本人たる所以は何なのか、その芯とも言うべき部分を今一度見つめ直すことで、一人ひとりが再びその精神性を胸の内に呼び起こし、次の世代に確りと引き継いでいかなければなりません。日本人が美徳を取り戻して万事に取り組む時、明るい未来へ向けての着実な一歩を踏み出せるはずです。

青年会議所の原点に立ち返る

1949年、まだ戦禍の爪痕が残る混沌とした時代の中で、祖国復興のために立ち上がった青年有志により青年会議所の前身である東京青年商工会議所が誕生しました。その後彼らが掲げた崇高な理念に共鳴する形で、日本各地に次々と青年会議所が誕生し、現在の一般社団法人妙高青年会議所の前身である新井青年会議所においては、1975年、全国で593番目の青年会議所として活動をスタートさせました。

青年会議所の先輩諸氏は戦後から今に至る激動の時代に翻弄されながらも、その時々の社会問題に敢然と立ち向かい、ただひたすらに明るい豊かな社会の実現を目指して運動を展開することで、時代の先駆者として確かな足跡を残してきました。目の前に立ちはだかる障壁に対し臆することなく、自己犠牲を払いながらも懸命に立ち向かっていけたのは、高い志とともに気高きプライドと大いなる責任感をその胸の内に秘めていたからではないでしょうか。今の我々の活動は、先輩諸氏が築いてきた礎の上に成り立っているということを決して忘れてはいけません。

プライドと責任感を胸に全ての仕事に注力せよ!

~やがてそれがまちの力となる~

バブル経済崩壊後、失われた20年と呼ばれる超長期の経済低迷状態は日本社会に閉塞感を生み出しました。この息が詰まるような重苦しい空気から未だに抜け出せないのは何故なのか、それは日本人全体で不安や恐れの感情を共有しているからに他なりません。この閉塞感が今後も続くことによって人々が益々保身に走り、考えることを諦め、全ての責任を世の中に転嫁するような悪循環に拍車が掛かっていくことが危惧されます。このような状況下だからこそ、青年会議所の存在意義とは何なのか、そしてその存在意義を示すためにメンバーは如何に行動すべきかについて今一度原点に立ち返らなければなりません。青年会議所設立当初から先輩諸氏が抱いてきた大いなる志に想いを馳せ、今後の日本を背負う責任ある青年世代として、掲げられた崇高な理念のもと進んで厳しい環境に身を投じながら自己改革に取り組み、自身の周りにある物事全てに全身全霊を傾ける必要があります。そうして得られた個の成長を周囲の成長へと繋げていくこともまた必要であり、随所で生まれる成長の連鎖がやがて大きな力を持ったうねりとなることで、先が見えない暗闇に差し込む一筋の光明を見出せるはずです。

新たな地域発展の可能性を求めて

東京一極集中を是正すべく地方創生が叫ばれる昨今ですが、未だ国内は大都市圏を中心に政治経済が動いており、2016年の総務省報告では、日本総人口の半数以上が10年連続で東京、大阪、名古屋の三大都市圏に集中していることが分かりました。国内人口分布の二極化による地域の人口減少は、社会インフラ整備の遅れ、民間企業の撤退及び進出機会の減少、雇用喪失、土地の荒廃をもたらし、暮らしに限界を感じた人々の流出をさらに加速させるばかりか、地域活性化に取り組もうとする気力さえも奪っていくことでしょう。かく言う私も東京のベッドタウンからこの妙高地域に移り住んだ人間です。以前の私にとって、大勢の人で賑わうまちは見慣れた光景であり、多種多様で深夜営業にも対応する飲食店や小売店、数分刻みで運行されるバスや鉄道、まちに溢れる求人の数々、そのような環境での暮らしでは、国内景気の低迷やまちの衰退、少子化といった事柄が微塵も感じられず、自身とは無縁のものだと思ってきました。ところがこの地に移り住み十数年経った今では、地域に山積する諸問題が非常に身近なものに感じられ、年齢を重ねるごとに地域衰退への危機感を募らせています。二つの地域を知る者として、都市と地方の偏りすぎた二極化を是正していくためには、地域に住まう一人ひとりの自覚と努力が如何に大切であるかが、今は強く実感できます。

妙高地域の誇りである四季折々の美しい自然や豊かな食材、質実剛健かつ人情味溢れる人々は、他所より移り住んだ私にとって人一倍魅力的に感じられ、この地に根を張り生きていく拠り所でもあります。これまで行政をはじめとする関係各所、そして我々(一社)妙高青年会議所においても、まちの活性化を目的に様々な事業に取り組んできましたが、これは妙高地域に住まう誰しもが地域の未来を憂い、より良くなればと願うからこその行動ではないでしょうか。今後もこうした気運を絶やすことなく、さらに多くの人々が地域の担い手としての当事者意識を持って互いに手を携え、共に考え共に行動していかなければなりません。そうすることにより地域が一体となっての自主的なまちづくりが可能となるのです。そこからは人口減少に歯止めを掛ける全く新しいまちづくり手法の創出や、より大きな予算規模での事業実施、優れた人材の輩出等、妙高地域を明るい未来へと導く要因がいくつも生まれてくるはずです。

次世代への責任

戦後、日本人は貧しさから抜け出すために寝食を忘れたように働き続け、国の見事な復興と発展に貢献しましたが、その過程で物質的豊かさばかりが追求され続けてきた結果、経済力こそが豊かさの象徴であるかのような偏った価値観が定着し、精神的豊かさの追求は置き去りにされてきた感があります。今の日本では、核家族及び共働き世帯の増加と情報化の進展が相まって、家庭内のコミュニケーションが希薄化し、子育ての根幹を成すべき家庭においてその役割が十分に果たされていないため、子どもの倫理観や道徳性の低下が目立ちます。加えてそのような子どもが精神面で未熟なまま大人になってしまうことも大きな問題であり、連日のようにメディアで取り沙汰される子ども同士、あるいは親子間での耳を疑うような凄惨な事件とも因果関係があることは否定できません。これは社会の中に自己中心的で公共精神の欠如した大人が増えてしまった末にもたらされた弊害であり、さらに恐れるべきは、日本という民主主義社会の中で今後もそのような人間が増えていく時、行き過ぎた個人主義や愛国心の欠片もないような考え方が正当化され、本来持つべき価値観や思想が強引に塗り替えられてしまうことであり、実際にそのような風潮を感じる場面が多々あります。この現状を変えていくためにも早急に対策を講じなければなりません。何故なら人間教育は一朝一夕で成せるものではなく、国家の未来を考える時、何世代も先を見据えながら取り組んでいかなければならない最も基本的かつ重要なものだからです。

「凡そ人の子のかしこきも、おろかなるも、よきも、あしきも、

大てい、父母のおしえに依る事なり」

幕末の偉人、吉田松陰が妹に宛てた手紙の一文であり、子どもに対する両親の教えがその後の人格形成において如何に大切であるかを説いたものです。松陰の言葉に従うならば、今の子どもの言動を問題視する多くの指摘は、親世代、ひいては大人社会に向けられるべきものです。子どもは生まれながらに純粋な存在であり、驚くべき吸収力と適応力を発揮しながら成長していきます。だからこそ大人は子どもの手本となるべく身を正し、人生の糧となる教訓をできる限り与え、その将来を正しい方向へと導いていかなければならないのです。まずは大人である我々がこのことを理解し、人間社会の最も基本的なコミュニティーである家庭において一貫性のある教育を行っていくことが重要です。そこで必要となるのは、将来において子どもが社会を生きていく上での基本的な所作の教育であり、古来より受け継いできた美しき精神性が失われぬよう、未来を担う生き生きとした次世代の育成に強い責任感を持って取り組んでいかなければなりません。親が変われば子どもが変わり、子どもが変われば社会が変わっていくはずです。

他地域及び他団体との絆から学ぶ

妙高地域の主要産業としては、事業所数及び就業者数からして第三次産業の占める割合が大きく、その中の宿泊業は勿論、飲食業や小売業に関しても観光との関わりが強いと言えます。近年の統計において妙高地域の観光入込客数は2011年まで減少が続いていましたが、それ以降は微増傾向となっており、その背景として良質な雪を求める外国人観光客が冬の妙高地域に多数訪れていることが挙げられます。加えて2015年に開業した北陸新幹線や、2018年に完了予定の上信越自動車道四車線化は、妙高地域にとって更なる観光誘客の強化に繋がる期待が持たれています。反面、高速交通網整備は地域人口や資本の流出といった危険性もはらんでおり、その二面性を確りと念頭に置いた上で、今後メリットを確実に享受できるよう様々な施策を打っていく必要があります。

我々(一社)妙高青年会議所が今後取り組むべきは、RINX-4として繋がりのある各地青年会議所との連携をさらに深め、各地域における課題やそれに対しての取り組みがどのように行われているかを探るとともに、妙高地域と同質的な背景と課題を抱える地域を大いに参考とすることで、自分達が学び得たものを活動エリアである妙高地域にフィードバックしていくことです。併せて高速交通網整備が完了しつつある今、RINX-4の新たなる可能性やその意義づけについて、各地青年会議所同士で発展性のある議論を重ねていかなければなりません。また、異なる視点からの斬新なアイデア等に触れる機会を増やすためにも、過去から続く他団体との交流促進や新たな団体との連携を模索していくことも重要です。様々な団体が互いに連携し結ばれていくことで点から線、線から面へと広がっていった先には多様性が生まれ、その多様性は地域に新たな価値をもたらす源泉となりうるのです。

メンバー個々の成長、そして組織の強化へ

青年会議所の魅力とは何か。それを一言で言い表すことはできません。異業種で活躍する同志との出会い、様々な考え方に触れることで得られる気づき、互いに研鑽し合う先に育まれる友情、活動に一丸となって取り組むことで味わえる達成感など、この会に入らなければ分からない魅力がいくつもあります。そしてその魅力をより多く感じ取るためには、青年会議所活動に真剣に向き合っていかなければなりません。単年度制という独自の仕組みにおいて、メンバー個々がそれぞれの役職を精一杯務めることで、互いの信頼関係構築や自己成長に繋がり、組織に更なる力を与えていくのです。それは地域にとっても間違いなくプラスの要素となるはずです。

青年会議所活動において失敗という文字はありません。だからこそ臆することなく柔軟な発想を持って積極的に行動すべきです。組織内外にある課題は当然のものとして全てを受け止め、プライドと責任感を持って地域のために尽くしましょう。若き青年世代として集い、熱い議論を交わし、共に汗を流しながら地域のために行動できるタイミングは今しかないのです。

結びに

一般社団法人妙高青年会議所が歩んできた41年間の歴史。それは敬愛する先輩諸氏が流してきた汗により作られた歴史であり、今振り返るとそのような歴史ある青年会議所に入会し、心許せる同志とともに活動できたことは幸運と言うほかなく、感謝の念に堪えません。青年会議所活動を通じて学び得たもの、そして周りの方々との絆は今後私が生きていく上での財産であり、その御恩に報いるためにも組織を確りとまとめ上げ、素晴らしきメンバーとともに地域のあらゆる課題に全力で取り組んでまいります。

本年度、一般社団法人妙高青年会議所が42年目を迎えるにあたり、関係各位並びに地域の皆様方におかれましてはより一層の御理解、御協力を賜りますことをお願い申し上げ、私の所信とさせていただきます。

スローガン

プライドと責任感を胸に全ての仕事に注力せよ!

~やがてそれがまちの力となる~

基本方針

地域を背負う青年世代として確固たるプライドと強い責任感を持ち、組織一丸となって万事に取り組みます。

重点事業

・まちの力醸成事業の実施
・青少年育成事業の実施
・連携推進事業の実施
・会員拡大と資質の向上
・会員同士の交流促進
・継続事業の実施

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