最終更新日:2016年11月5日

一般社団法人妙高青年会議所 2016年度理事長所信
岡山慎太郎


  2016年度 スローガン

前へ!
~青年らしく行動し
故郷(まち)の原動力(ちから)となれ~
 


過去から現在~学びと感謝~                                    

 戦後70年。敗戦時の焦土と化した国土を背に、明日の食糧の調達もままならない絶望と混沌のなか、当時の人々は何を思ったのでしょうか。多くの人々が故郷(まち)や愛するひとを失い、国の将来をも悲観し肩を落としたでしょう。しかしながら、そのような状況下からも国民一丸となり、日本は「東洋の奇跡」とよばれる高度経済成長を成し遂げ、世界に冠たる先進国に成長しました。この足取りは当時の社会的要因だけではとても説明がつかないのではないでしょうか。戦後復興を支えたもの、それは紛れもなく日本人の誇る気高き精神性に依るところであります。農耕民族として厳しい農作業に明け暮れる中で培われた、思いやりと助け合いの心からなる協力や協調を重視する互助の精神。また、武士道に由来する礼儀と信義を重んじるといういわば日本人の価値観の根底にあって、日本人の行動や生活を律している義理人情の精神。そしてこの土台から湧き上がる地道な勤労意欲と旺盛な向学心こそが、資源に乏しい日本が経済力において世界屈指の力を確保し、世界に誇る治安と秩序を維持してきた要因でしょう。
 世界に目を向けると今日も頻発する国際紛争、食糧不足や貧困。国内においては急速に進む人口減少、都市部への人と資本の集中、エネルギー問題や国際競争力の低下などの課題が山積しています。このような混沌とした現代だからこそ日本人の誇る精神性を今一度よび戻すことが必要なのです。
 1949年。荒廃と混乱の最中、勇気ある青年達は立ち上がります。戦後日本の勃興と再建をその趣旨として、日本では東京から青年会議所運動は起こり、2年後の1951年2月、全国10か所の各地青年会議所から506名による日本青年会議所が設立されました。当初の活動理念は、東京青年商工会議所の設立趣意書から窺うことができます。
~1949年9月3日~
 新日本の再建は我々青年の仕事である。あらためて述べる迄もなく今日の日本の実情は極めて苦難に満ちている。この苦難を打開してゆくため採るべき途は先ず国内経済の充実であり、国際経済との密接なる提携である。(中略)われわれはこれ等の国際機関との連携は素より、青年の持つ熱と力とを以って産業経済の実勢を究め、常に認識を新たにして、その責務の達成を期したい。ここに政治経済の中心地、東京に在る我々青年はその使命の極めて重大なるを思い同志相寄り東京青年商工会議所の設立を企図した次第である。(東京青年商工会議所設立趣意書) 
 当時の状況下において、自分以外の誰かのためにという使命感を抱き、国際機関、国際経済との提携を図るという理念を抱いていたことに対する先見性には尊敬の念が絶えません。当地でも1972年(昭和47年)「新井市青年経営研究会」の発足を経て、1975年9月27日に新井青年会議所は上越青年会議所様をスポンサーJCとして設立され、全国で593番目の社団法人日本青年会議所の会員として承認されました。崇高な理念と、この地の健全な発展を願う想いを記した設立趣意書のもと、新井青年会議所がスタートし、今日までこの長い歴史が一度も途切れることなく受け継がれてきています。そして昨年、創立40周年を迎えることができましたことも、ひとえに私達の運動に対し、深くご理解をいただきました地域の皆様と関係各位の温かいご支援ご協力の賜物であり、会員一同心より感謝申し上げます。創立以来、明るい豊かな社会の創造を目指し、様々な活動や事業で彩られた40年という歴史の長さは、単に年月の積み重ねではなく、先輩諸氏の「想い」の積み重ねにほかなりません。その歴史と想いを受け継ぐ現役会員として、先輩諸氏の皆様に深く感謝いたしますと共に、心より敬意を表します。創立から40年を経過した現在、我々の成すべきことはいつの時代もその経済状況や社会情勢に関わらず、地域に対し希望を与えることだと考えます。地域にはその時代ならではの問題点があります。我々の運動は地域の問題点を調査、研究し、その改善策を講じなければなりません。いかなる問題点にも、改善していくという強い信念を持ち、議論し、行動し、それを地域の運動に変えていきましょう。
 

前へ!~青年らしく行動し故郷(まち)の原動力(ちから)となれ~ 

 我々青年世代が社会に出た頃には日本経済も勢いを無くし、多感な青春時代には平成不況のニュースばかりでした。故に本当に日本が元気だった頃を知りません。現在多くの青年世代のマインドは、現在の生活に満足はしているけれど、将来に不安もある。身近な世界の中で仲間と共通の価値観を大切にすることでその不安を掻き消しているように感じます。しかし、まだ日本は世界的に見れば恵まれた国でしょう。宗教や資源に起因する紛争、テロや革命ということはなく、多くの人は物質的にも困窮せずに高度な社会インフラと最先端テクノロジーを手に幸せを享受しています。そして、相対的に幸せであるために、この国ではあらゆる社会問題の解決が先送りにされてきたように感じます。ただこれからも、巨額の財政赤字、未だ世界の誰もが経験していない人口の急減社会の到来や原子力発電所の再稼働等の問題を誰もが重大なことだと気付きながら「まだ何とかなる」とその解決を先延ばしにして、場当たり的な対応で乗り切ってゆくのでしょうか。そして今後も「何とかなる」のでしょうか。私はそうは思いません。今こそ焦土荒廃の国難を再建した当時の、青年に宿った日本人の誇る気高き精神性を取り戻し、青年らしく行動し、我々の愛する故郷(まち)の原動力(ちから)として次代のために覚悟と気概をもって地域の新しい希望となり、明るい豊かな社会を創造しなければなりません。
 

青年らしさとは

 青年会議所運動を進める上で携えるべき青年らしさを次のように考えます。ひとつは、未来は今、我々の行動に懸かっていると故郷(まち)を憂慮し、主体性をもって未来を思い描く「あふれる情熱」です。次に、時流を的確に読みながら新しい感性を積極的に取り入れ、変化を恐れない「柔軟な発想」そして最後に、気力と体力の充実期において、これまで培った個人や組織の繋がりを生かした「積極的な行動力」です。これら青年らしさを存分に発揮できたならば青年会議所運動はより力強く邁進するでしょう。
 

~「青年」それはあらゆる価値の根源である。そして私たちは青年である。~

 この言葉は私が青年会議所に入会して知った言葉です。この時代に青年として生き、この時代をどのように過ごすか。これは故郷(まち)の将来を左右する重要な時間なのです。今こそ気持ちをひとつにし、迫る諸問題に立ち向かいましょう。
 

会員個々の成長こそ地域の発展である

 青年会議所は多種多様な年齢、地位、職業の会員が平等な立場で集うことのできる類まれな場です。今、この組織に身を置くことができていることは本当に幸せなことです。それぞれが自分の仕事を持ちながら青年会議所に集い、議論し、活動しています。仕事とは違う場で多様な価値観を持つ者同士が集い、共に何かをつくりあげていくことは自身の成長に大きく寄与します。結果として、会員個々の青年経済人としての力、ひとりの人間としての力は青年会議所運動に積極的に取り組むことで飛躍的に向上すると断言できます。
妙高青年会議所定款第1章第3条(目的)の中で、「地域社会及び国家の発展を図り、会員の連携と指導力の啓発に努めると共に、国際的理解を深め、世界の繁栄と平和に寄与することを目的とする」とあります。いわば会員個々の成長は地域、国家の発展であり、世界の繁栄と平和に繋がる青年会議所運動の目的そのものなのです。ただ、青年会議所は待っていても何かを与えてくれる場所ではありません。率先して行動し、多くの仲間と関わり、議論し、故郷(まち)のために汗を流し、仲間との絆と友情を築いてください。その先にある自分自身の成長が地域社会のため、未来を担う子どもたちのために必ず繋がることを信じて。
 

会員拡大とは何か

 会員の拡大は単に会員数を増やすためだけではなく、我々が地域を想う気持ち、未来へのビジョンを心から共有できる青年をこの地に一人でも多く増やすということなのです。この拡大運動は、同志となった青年が地域社会に貢献できるリーダーに成長することにより地域の発展に寄与するという循環を形成するものでなければなりません。会員拡大の本質はJCI Missionの中に記されています。
 
To provide development opportunities
that empower young people
to create positive change.
(青年が積極的な変革を創造し開拓するために、能動的に活動できる機会を提供する。)
 
 組織一丸となり、まだ見ぬメンバーにこの組織の魅力を確りと伝え、「ポジティブ・チェンジ(積極的な変革)」のための機会を広く提供していかなければなりません。結果として新しい風が吹き込み、この組織の活力を維持することで持続可能な組織へと繋がるのです。
 

故郷(まち)のために 

 仕事や旅行で他のまちを訪ねる中で、幹線道路沿いは、どの街並みも同じに見えることはないでしょうか。郊外型大規模ショッピングセンターを中心に大手サプライチェーンの派手な看板が立ち並ぶ光景です。そして旧市街地中心部には人もまばらなシャッター通り。私たちの生活は利便性が向上する一方、それぞれの都市や地域が持つ特色が薄れてしまいました。街なかのにぎわいを取り戻し再生させるという目的から生まれた集約都市(コンパクトシティ)構想も各地で頓挫しているのが現状です。要因のひとつとしては、人々のライフスタイルの変化や自動車依存社会が関係するのですが、そもそも地域住民の多くが地域に暮らす価値を見出せていないのではないかと思うことがあります。その価値とは即ち郷土愛という言葉に置き換えられるものです。地域の発展を願うのならば、地域内の事業所を利用しようと考えるでしょう。また、地域に暮らす価値を見出しているのならば地場産の品々を購入しここに住まう喜びを感じたいと思うでしょう。一度経験した便利さからは簡単には抜け出すことは困難であるかと思いますが、特に昨今の人口急減社会から予想される内需減少傾向のこの地域においては、少しずつでも取り戻したい気持ちのひとつです。ここ、妙高地域は誇るべき歴史文化をもち、優れた自然環境に抱かれた私たちの故郷(まち)であり、今後も持続可能な地域として歩みを進めなければなりません。今一度、地域の誇りと郷土愛の育成を図りましょう。
日本の地方が抱える問題はどれも深刻です。人口減少、少子高齢化の問題は勿論のこと、観光客の伸び悩み、雇用問題、医療問題が挙げられますが、大変なのはそれぞれ個別の問題ではなく、どれもが連鎖している点です。私たちは、この地域の問題点を確りと抽出し、地域特性を活かしたまちづくりを提言、実行してまいります。
 

次代を担う子どもたちへ

 教育の充実は、経済成長や雇用の確保、少子化の克服、格差の改善といった社会が抱える課題を解決する鍵になり、これにより一人ひとりが持つ可能性を最大限伸長させます。
現在の子どもたちを取り巻く社会に目を向けると、進む核家族化に加え兄弟姉妹も少ない小規模な家庭で育つ子どもが増え、高齢者や異年齢の人々に触れ合う機会の減少が指摘されています。また親の就労環境や生活時間の多様化が、子どもの食生活をはじめとする生活習慣に大きな影響を与えているともいわれています。更に、子どもの日常世界にも情報化が強く影響し、インターネットや電子メールを介した間接的コミュニケーションなど、大人には見えない人間関係が急速に拡大しました。これらが、子どもの直接体験の貧困化や人間関係の間接化、コミュニケーションの機能不全に拍車をかけています。このように、目まぐるしく子どもたちの周辺環境は変化しており、社会情勢も混迷を増しておりますが、子どもたちの内面までもが以前より荒廃しているのでしょうか。ひとは純粋な心をもってこの世に生を受けます。そして親を中心に、教育現場、地域社会との関わりから、人格を形成して成長します。即ち、子どもたちの成長は我々大人のかたち作る社会そのものに起因します。その因果関係を確りと理解し、責任世代の我々は行動しなければならないのです。
 子どもたちは、光り輝く未来に自分の夢を描くものです。私は子どもたちが大きな夢や希望を抱き、充実した楽しい子ども時代の思い出を作り、優しい気持ちとたくましく生きる力をこの地域で育んでもらいたいと切に願います。そしてその子どもたちは、きっと次代に大きな花を咲かせ、再び希望の種を蒔いてくれると信じています。
 

広域連携の推進

 日本政府観光局は、2014年に日本を訪れた外国人数が前年比29.4%増の1341万3600人だったと発表しました。2015年度も1500万人に迫る勢いで推移しています。円安、訪日ビザ緩和、免税対象拡大を追い風に、2年連続で過去最多を更新しました。観光業は金融、土木などと肩を並べる20兆円規模の産業であり、このうち外国人観光客の消費額は2兆円にも達しています。昨年度は妙高市においてもスキーシーズンには延べ3万人泊を超える外国人観光客が訪れており、観光地妙高の地域経済を支える柱となっています。外国人観光客に限らず、観光客は、その地域の食、景観、ひとや歴史文化等に触れようとその地を訪れます。自分たちの地域の魅力を高めることが訪れる方々の感動を増幅させるとすれば、観光地づくりはまちづくりそのものだといえるのではないでしょうか。加えて、交通網の発達や旅行形態の多様化から観光客の回遊エリアの広域化はますます加速しており、周辺地域との互いの足りない部分を補完しあう広域連携は更に重要になってくるでしょう。
RINX-4をはじめ、隣接する青年会議所や関係諸団体との連携を今まで以上に緊密に行いたいと考えております。
 

会員個々へ向けて~未来は私たち青年の手に委ねられている~

 過去は変えられませんが自分と未来は変えられます。まず、自分から行動を起こしてみましょう。自分が変われば周りの人も変わるのです。踏み出す一歩一歩は小さくとも凡事徹底して、その小さな一歩を人には真似できないほど一生懸命にやる。そんな一歩を積み重ねることができれば、きっと世界は変えられるのだと考えます。目的を持ち、それに対する手段を考え、そして必ず達成する。目的を達成するためにまずは行動しましょう。自分自身の資質を向上させ、青年らしい行動力と情熱があれば、必ずや明るい未来が見えてくるに違いありません。
青年会議所は歴史のある組織です。しかし、過去に囚われ過ぎず、新しい手法に積極的に取り組んでまいりましょう。今の時代は今しかないのです。未来は必ず来ます。だから今しかできないことにフォーカスしましょう。前例がないのであれば、最初の例となればいいのです。私たちは青年です。自分を信じ、自分の信念を貫き、義理人情を忘れず、一人ひとりが責任を持って行動していきましょう。
 
結びに
 本年度、一般社団法人妙高青年会議所は41年目の新たな一歩を踏み出します。いつの時代においても、社会の未来をつくる大きな力は我々青年の情熱であり、青年の情熱は地域の活力の源になると考えます。その情熱を向ける先は、自らの掲げた高い志の実現であり、その実現に向けて我々青年は勇気をもって挑み戦い続けるべきであります。私たちは、この姿勢を常に維持し、個人の志を組織の志へと昇華させるべく、胸襟を開き是々非々の議論を深めて一丸となり、自らの成長のため、故郷(まち)の未来のために邁進してまいります。関係各位並びに地域の皆様方からのより一層のご理解、ご協力を賜りますことをお願い申し上げ、私の所信とさせていただきます。
 

[スローガン]
前へ!~青年らしく行動し、故郷(まち)の原動力(ちから)となれ~

 

[基本方針]

41年目の新たな一歩を踏み出すにあたり、青年らしく行動し、故郷(まち)の原動力(ちから)となって、希望あふれる故郷(まち)の未来を創造します。
 

[重点事業]

・会員の拡大と資質の向上
・地域愛育成事業の実施
・青少年育成事業の実施
・故郷(まち)の未来創造事業の実施
・会員相互の交流促進
・継続事業の実施